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蝋燭の灯りに包まれて―夜咄(よばなし)の茶事

蝋燭の灯りに包まれて―夜咄(よばなし)の茶事

京の町にも、ゆるやかに年の瀬の気配が満ちてきました。なにかとあわただしくなりがちな時期だからこそ、お茶をゆるりと楽しみながら、一年を振り返ってみてはいかがでしょう。

茶道の世界では、11月になると茶室の畳に埋め込まれた「炉」に火を入れる“炉開き”と、その年の新茶を収めた茶壺の封を切る“口切り”が行われます。

秋から冬へと移ろうこの季節に始まるのが、灯を落とした茶室で蝋燭の明かりに心を寄せる「夜咄(よばなし)」の茶事です。静けさの中に茶を点てる音が響き、冬の闇にぬくもりが灯るひととき。立春までの夜長を楽しむ幻想的な冬のお茶会です。

一般的に茶会は正午頃にお客様をお招きします。一方、夜咄は日が落ちてから。和蝋燭や行灯の明かりのもとで行われます。茶室には、暗い中でも読める大きな文字でしたためられた掛け軸が選ばれるのだとか。床の間には花の代わりに石菖(せきしょう)が飾られ、蝋燭の油煙の広がる室内の空気を浄化します。石菖の香りが広がる炉辺に集い、薄茶や懐石、濃茶などを楽しみながら、仲間同士でゆったりと言葉を交わし、くつろいだ雰囲気を味わいます。

夜咄は茶事のうちでも最も難しく最上のものとされ、千利休の孫、元伯宗旦は「茶の湯は夜咄にてあがり申す」と教えていたと伝えられます。

福寿園京都館(京都本店) 4階「京の茶庵」

福寿園京都館(京都本店) 4階「京の茶庵」では、夜咄の茶事になぞらえた「夜の茶会」が楽しめます。
茶室を照らすのは、和蝋燭の灯のみ…。静謐な趣に包まれながらいただく一服は、まさに至高の味わいです。1日1組様限定の特別な体験をお楽しみください。

福寿園京都館(京都本店) 4階「京の茶庵」

広報誌「FUKUJUSO 2025年12月号」より
 ※記載されている内容は掲載当時のものです。