福寿園の総合力を活かし、一人でも多くの方をファンに
原料の仕入れから加工、合組(ブレンド)、さらに新製品の開発提案までを一手に担う福寿園の茶匠・辻井勇人。キャリア40年の前任者から2021年度よりバトンを受け継ぐ。日々の努力や今後の目標について伺いました。
株式会社福寿園
原料本部
園露原料部 部長
辻井 勇人さん
原料は生産者との取引と茶市場で調達、その緊張と重責・合組技術
お茶の原料となる荒茶の仕入れと、商品に仕上げるための加工の指示、そしてお茶の味や香りを決める合組の指示を担当しています。お茶は農作物なので、天候に左右されたり土壌環境によって毎年同じように育つとは限りません。
味にも変化が現れます。それらを商品ごとに一定の品質と味わいで提供するためには数十種類のお茶を合組をして再現する必要があり、おいしさを追求するためには経験や技術が問われます。仕上がりや原価を左右する入札には、品質を見極める「目利き」と、適正価格で落札するための「相場感覚」も不可欠。落札できても高額だったのではと不安が残り、できなければ商品づくりに影響が出る。何度も胃の痛くなるような思いをしましたが、「自分を過信せず、徹底して準備を行う」という教えを守り、乗り越えてきました。モノづくりの要としての実感が、この仕事の魅力です。
広告代理店勤務で身につけた変革の姿勢
実家は宇治茶の産地、宇治田原町で茶問屋を営んでいます。大学卒業後は、店を継ぐつもりで修業を兼ねて東京の広告代理店に就職。求人広告の営業を通じ、幾人もの経営者と出会いました。様々な業態の特性や事業所ごとの課題に触れ、仕事を通じて、事業を先につなぐためには変革が必要であることを痛感しました。
2014年、福寿園との出会い
実家に戻り、荒茶の入札や加工、小売店への営業に従事。事業の先行きを検討していたころにお声がけいただいたのが福寿園です。入社の決め手となったのは、老舗の看板に奢ることなく、様々な変革に取り組まれていること。今日のFUKUCHAブランドもそのひとつです。茶業界とは異なる視点でお客様と向き合うシェフパティシェとの交流をはじめ、観光事業などお茶の可能性を拡げる総合力がこの会社の強みであると確信しています。目標は若者やこれまで緑茶と縁遠かった中高年の方、時間にゆとりを持たれた高齢者の方々から一人でも多く、福寿園のファンになっていただくこと。お茶の葉の素晴らしさを伝えていきたいと考えています。
広報誌「FUKUJUSO 2022年2月号」より ※記載されている内容は掲載当時のものです。
広報誌「FUKUJUSO 2022年2月号」より
※記載されている内容は掲載当時のものです。