銘茶の安心・安全を支える
原料茶の官能審査の担当を主な仕事とし、弊社グループのお茶の安心・安全を支えている研究員木下彩さんにお話を伺いました。
生産開発グループ 品質保証チーム長
生産開発グループ
品質保証チーム長
木下 彩さん
(官能審査の様子)
木下研究員がいる
CHA研究センターは、
どんな業務を行っていますか?
関西文化学術研究都市にあり、緑豊かな茶園が広がる福寿園CHA遊学パークの敷地内にあります。商品の品質管理と品質保証のための検査機関の役割を自社で持っていることが強みで、私が所属する品質保証チームでは、主に以下の検査に取り組んでいます。
品質保証チームが
取り組んでいる検査内容
- ■微生物検査
- 一般生菌、大腸菌群、カビ・酵母、黄色ブドウ球菌 等
- ■理化学検査
- 茶成分分析(カテキン等)、水分、粒度 等
- ■官能審査
- 原料・製品の形状、色沢、香気、水色(すいしょく)、滋味
- ■表示検査
- 食品表示・メニュー表示・広告等の表示確認
- ■証明書発行
- 規格書、産地保証書、新規商品品質保証 等
- ■食品衛生指導
- 飲食店舗の目視検査、食材・付着菌検査 等
- ■工場監査
- 製造委託工場の監査・指導
仕事概要や、今後の目標について教えてください。
お客様が商品やサービスを安心・安全に飲食したり利用したりできるように、それらが法律や国が定めたルールに基づいて作られているのかを確認したり、科学的・生物的・物理的観点から検査し保証したりしています。またクレームや事故に繋がらない製品づくり、サービスを提供するために、弊社独自の厳しい規格・ルールの制定・チェックをしています。
将来的には、CHA研究センターを外部からの検査受託もできる「お茶専門の検査機関」にしたいというのが、私の大きな夢です。
秋にお茶がおいしいと言われる理由や、楽しみ方を教えてください。
秋は第二のお茶の旬とも言われます。初夏に摘んだ新茶、特に碾茶(抹茶の原料)や玉露など覆下栽培で育てられたお茶が熟成されると、新緑の季節にはなかった角の取れたまろやかな旨味がしっかりとのってきます。*味覚分析の結果からも、雑味・渋味の刺激が減少し持続性のある旨味が増加、また香気成分の結果からも、熟成度の指標となる香り成分の変化が確認できます。秋の夜長には、ぜひおいしいお菓子と一緒に玉露を低温でじっくりと何煎も味わい、熟成ならではの風味を楽しんでみてください。
*茶師厳選「熟成玉露」の分析より
お茶の劣化について問い合わせがある中、
ご家庭で対策できるアドバイスを教えてください。
たくさんお茶をいただいた時などは、お茶の保存方法に気をつけて、最後までおいしく召し上がってほしいものです。良いお茶ほどとっておきたくなるものですが、お茶は鮮度が大切です。早いうちに飲み切ることをおすすめします。
お茶の保存方法について
10日分ぐらいずつ小分けにし、すぐに使わないお茶は容器に密閉し、さらにポリ袋に入れて冷蔵庫で保存するのがおすすめです。こうすることで臭いや湿気をシャットアウトできます。
急激な温度変化で容器や茶の表面が結露して傷みやすくなってしまうため、開封する時は、常温に戻してから使うようにしましょう。
広報誌「FUKUJUSO 2023年10月号」より ※記載されている内容は掲載当時のものです。
広報誌「FUKUJUSO 2023年10月号」より
※記載されている内容は掲載当時のものです。







