祇園祭と楽しむ、わが家の「てのひら屏風祭」
福寿園京都館(京都本店)1階『京の茶舗』にて『祇園祭礼図屏風』を展示しております。(7月31日まで)
7月になると京都の街に響き渡る「コンチキチン♪」。甲高い鉦の音は、京都の人々に夏の訪れを告げる音色です。今年も、日本三大祭のひとつである祇園祭の季節がやってきました。
祇園祭と聞くと、まず思い浮かぶのは、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている“動く美術館”こと山鉾巡行ではないでしょうか。今回は、その華やかな巡行とは対照的に、宵山の時期に開かれる“静の美術館”、「屏風祭」をご紹介します。
宵山とは、山鉾巡行の前夜を中心とした数日間のこと。山鉾町の軒先には駒形提灯が灯り、祇園囃子が響き渡り、祇園祭のなかでもひときわ華やかな雰囲気に包まれます。
その期間、山鉾町の旧家や町家では表の格子を外し、代々受け継がれてきた屏風や美術品、調度品などを一般に公開します。この風習が「屏風祭」です。
明治末期から昭和初期にかけては全国各地の祭礼でも見られたと伝わりますが、近年は町家の減少などにより数を減らしています。そうしたなか、祇園祭では今なお屏風祭が受け継がれ、京都の町衆文化と美意識を今に伝える貴重な機会となっています。
家に伝わる宝物を披露し、客人をもてなすーその心は、お茶の世界にも通じます。季節に合わせて道具をしつらえ、一服のお茶でもてなす時間には、相手を思う気持ちと暮らしの中に美を見出す感性が息づいているのです。
この夏は、ご自宅にあるお気に入りのコレクションや大切な品々を飾り、涼やかな一杯のお茶とともに「てのひら屏風祭」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
広報誌「FUKUJUSO 2026年7月号」より
※記載されている内容は掲載当時のものです。







